人を支えたいならポジティブよりネガティブ

今回は「人を支えたいならポジティブよりネガティブ」というお話しです。

大事な人の悩みを聴きたい、という方に
聴いてほしい内容となっています。

たとえば、

職場の人間関係がうまくいかず、
会社に行くのがつらいんです…

と悩んでいる人がいたとします。

あなただったら
どんなふうに聴きたいでしょうか?

つらそうだから励ましてあげたい
元気になってほしい、と

もしかしたら
このような声掛けをするかもしれません。

・それでも休まず会社に行っているあなたはすごいよ!
・つらいけど、こんなふうに考えたらいいんじゃない?
・ピンチはチャンスだよ!

ポジティブに捉えたら
気持ちが軽くなるんじゃないか
と思われるかもしれません。

だけど、ポジティブ考えようよ!
と人から言われても

おそらく
簡単にはできないと思うんですよね。

頭ではわかっていると思うんです。
ても、できないから悩んでいる。

ではどのように関わったらいいのか?
どんなふうに支えてあげたらいいのか?

というと、傾聴だったらこんな感じです。

・それはつらいね
・どうしたらいいかわからないね
・本当に困るね

ネガティブな感情、つまり
「悩まざるを得ない気持ち」
に寄り添うんですね。

そして自分も一緒に
その気持ちを感じようとします。

たとえていうなら、断崖絶壁の崖の下に
落ちている人がいるとします。

それが悩みを抱えている人だとすると

その悩んでいる人にロープを垂らして
登ってきてもらう、助けてあげるのではなく

自分も崖下に降りてみる
というイメージです。

そして崖下にいる人の気持ちを
共に感じようとする。

傾聴は、ネガティブな人を
ポジティブに引っ張り上げよう
とすることではなく

ネガティブな気持ちのそばに
一緒にいてあげることなんですね。

私の傾聴の先生はよく
こんなふうに言っていました。

「悩んだり、苦しんでいる人をひとりぼっちにしない」

その苦しみを共に感じようとすること
これが大事なんです。

だからネガティブな気持ちを否定せず、
もちろんポジティブに変えようともしません。

「そうなんですね」と理解を示すことで
人は安心してその問題に向き合ったり
自分を見つめたり
悩んだりすることができるんですね。

ひとりだけど、ひとりじゃないという感覚。

そうすると、何が起きるのかというと
自分でなんらかの答えを見つけていくんですね。

人は誰でも自分で何かに気づいたり
その中で学んだりして
自分を成長させていく力があります。

もちろん
何かしらの支援が必要な場合もありますが

問題を解決するのは本人で
それを信じて聴くことに
傾聴のほんとうの意味がある、と
私は思っています。

ですから、聴く人が何かしてあげよう
アドバイスしよう、導こう、と
アプローチするのではなく

ネガティブだったらネガティブなまま聴く。

そのまんまの気持ちをわかってあげる。

それで十分、悩んでいる人を支えてあげられるんですね。

 

 

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