今回は、気持ちの聴き方についてお話ししていきます。
傾聴は相手の気持ちを聴くことだ
とよく言いますが
そもそも「気持ち」とは何でしょうか?
気持ちを聴いてください、
と言われてピンときますか?
一番わかりやすいのは
相手が使った気持ちを表す言葉(単語)
を拾って聴いていく、というやり方です。
たとえば
嬉しい、楽しい、悲しい、つらい、怖い
などの形容詞です。
これも気持ちを聴く
ということに当てはまります。
でも実際の会話では
はっきりと形容詞で表現してくれるとは限りません。
たとえば
相手がこんなふうに言ったとします。
「やっと息子の就職が決まったんだけど」
この文章の中に気持ちの形容詞は
ひとつも含まれていませんが
気持ちがないか、というとそうではなくて
ちゃんとあるんですね。
それはどこかというと
「やっと」とか「だけど」
ここにその人の気持ちが表れています。
「やっと」というのは
それをずっと願っていた、という気持ち。
「だけど」というのは
願いが叶ったけど、何か期待を裏切られたような気持ち。
そんなふうに感じられないでしょうか。
つまり気持ちというのは、
嬉しいとか悲しいなどの
形容詞だけではなく
話の端々で表現されているんですね。
そして聴く人はそこをしっかりと受け止めて
自分の内側で感じてみます。
「やっとだったんだ!
でも、だけどと言っているから
何か期待を裏切られるようなことがあったんだなぁ」
こんなふうに自分が心から感じられると
人の気持ちも聴きやすくなります。
相手が「嬉しい」と言ったから
嬉しいとわかりました、というのは
けっして間違いではないのですが
ちょっと浅いんですね。
頭で言葉を理解しているだけです。
傾聴で気持ちを聴くというのは
心の領域です。
聴き手であるあなたが
心で感じられるかどうか。
これが相手の気持ちを聴くときに
とても大事になります。
ぜひ、自分は何を感じているのか
ここに興味をもって聴いてみてくださいね。