傾聴を家に例えると、うなずき・あいづちは家を支える土台の部分です。
土台がしっかりしていないと家はぐらつき、倒れてしまいますよね。
傾聴も同じです。
うなずき・あいづちがしっかりできてこそ、他のスキル(くり返し、伝え返し、要約など)が活きてきます。
グラグラした土台の上にスキルを積み重ねても、その効果は期待できません。
「ふだん当たり前に使っているよ」とおっしゃる方もいると思いますが、当たり前なことをさらに「技術」として使えるようになると、傾聴力は上がっていきます。
そのくらい重要な部分です。
今日はそのポイントを2つと、より深いうなずき・あいづちにするための心構えについてお伝えします。
1.相手に伝わるようにやる
一般的にうなずき・あいづちはには、あなたの話を聴いていますよ、という意思表示の意味があります。
ちょっと自分が誰かと話しをしている場面を想像してみてください。
そのとき、相手がお地蔵さんのように無言だったらどうでしょう?
なんとなく物足りないような気がしませんか?
あるいは、本当に聴いてくれているのかな?という印象を受けるかもしれません。
つまり、リアクションが薄いと「聴いていますよ」が伝わりにくいのです。
自分としては真面目に熱心に耳を傾けているつもりでも、相手にそれが伝わらなければもったいないですよね。
ということで1つめのポイントは、相手に伝わるようなうなずき・あいづちをしましょう、ということになります。
2.相手のペースに合わせる
例えば、ハイテンションで、楽しそうにテンポよく話をしている人がいたとします。
そのとき、聴き手がこんなあいづちだったらどうでしょう?
抑揚のない声で、淡々と、一本調子のうなずきあいづち。
「あー、ハイ…そうなんですね」
なんか調子が狂うというか、「つまらないのかな?」「怒っているのかな?」という感じを受けませんか?
お地蔵さんのように無言もダメですが、相手のペースとまったく合わないうなずき・あいづちもダメです。
ペースを合わせるというのは、相手の話すスピードもそうですが、テンションの高さ・低さ、声の強さ・弱さなども相手に合わせます。
呼吸を合わせる、とも言えますね。
例えばカヌーに2人で乗って、左右を分担して漕ぐとします。
当然同じペースで漕がないと、スムーズに進みませんよね。
会話も同じです。
相手のペースに合わせて、うなずき・あいづちをしましょう。
これが2つめのポイントです。
より深い傾聴のうなずき・あいづち
ここまで2つのポイントについてお伝えしましたが、実はこれらは表面的なテクニックにすぎません。
傾聴において大切なのは、「あなたは何のためにうなずき・あいづちをするのですか?」ということです。
「何のために」というのは、つまり聴く目的のこと。
傾聴の目的は、
相手の気持ちに寄り添い
よい・悪いと価値判断せずそのまま理解し(受け止め)、支えること
そのためのうなずき・あいづち(技術)なのです。
あなたが相手の気持ちに寄り添いたいと思わなければ、うなずきやあいづちはカタチだけになってしまいます。
気持ちに寄り添うとは、
ポジティブなあなたでもネガティブなあなたでも、どんなあなたであっても、私はあなたと一緒にいますよ、そのまま受け止めますよ、ということ。
ここがとても大切です。
何のために傾聴をするのか(したいのか)、しっかりと目的をもって、2つのポイントを意識してやってみてください。
より深いうなずき・あいづちになるでしょう。
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