あなたは、こんな経験ありませんか?
「傾聴しているときに、つい相手の反応を気にしてしまう」
相手が笑顔を見せると「うまく聴けた!」と思ったり、逆に曖昧な反応だと「失敗しちゃったかな」と不安になったり。
このように、相手の反応に振り回されてしまうと、傾聴がちょっと苦しくなってしまいますよね。
この記事では、「相手の反応が気になる問題」をどう解決するか、そのコツをお伝えします。
相手の反応を気にしすぎると苦しくなる理由
まず、傾聴が苦しくなる理由について少し考えてみましょう。
多くの人が「うまく聴けているかどうか」を、相手の反応で判断しようとします。
たとえば、相手がうなずいてくれたり、笑顔になったりすると、「よかった!ちゃんと聴けている!」と感じませんか?
でも、相手が考え込んでいたり、表情が曖昧だったりすると、「これでよかったのかな?」と不安になってしまう。
これ、実は多くの人がやってしまうことなのです。
でも、この「反応頼り」の傾聴スタイルには、1つ問題があります。
それは、自分がコントロールできないものに基準を置いているということ。
相手の反応って、自分がどうにかできるものではないですよね。
だからこそ、基準を相手ではなく、自分の中に持つことが大切なのです。
1.傾聴の基準を「自分の中」に持つ
「自分の中に基準を持つ」とは、「私はどう聴きたいのか」「どんな気持ちで相手と関わりたいのか」を明確にすること。
たとえば、「相手を理解したい」というシンプルな軸を持つだけで、聴き方に迷わなくなりますし、緊張も減っていきます。
さらに、相手の反応を気にしているな、と感じたら、こんな方法を試してみてください。
- 一度深呼吸をする
- 「相手を理解したい」という自分の軸を思い出す
このシンプルな方法が、あなたの傾聴をもっと楽にしてくれるはずです。
2.深呼吸で意識をリセットする
ここで一つ、安心してほしいことがあります。
「相手の反応が気になる」というのは、決して悪いことではありません。
むしろ、人間らしい自然な感情なのです。
だって、私たちは相手の表情を見たり、言葉を聴いて「どうすればいいかな」と調整する生き物ですよね。
だから、その気持ちを否定する必要はありません。
「私は反応を気にしてしまうんだな」と気づくだけで十分です。
その上で、「相手を理解したい」という軸に戻る。
これを繰り返していくだけで、少しずつ心が楽になっていきます。
3.傾聴の本質(自己一致・受容・共感的理解)を理解する
最後に、傾聴そのものについて少し触れておきますね。
傾聴を創始したカール・ロジャーズという心理学者は、傾聴で大切な3つの態度を挙げています。
1.自己一致
本物の私としてそこにいるということ。仮面をかぶらず、自分自身でいること。自分がからだで体験している気持ちに気づいていて、それを否定したり、ごまかしたりしないこと。
2.無条件の肯定的なまなざし
相手のなかにいま流れているすべての感情、すべての思考、それがなんであれ、評価を加えず無条件の肯定的なまなざしで見ている。それは、「あなたのあなたらしさを認めている」ということ。
3.共感的理解
相手の体験(感情や個人的な意味)を正確に感じ取り、その理解を相手に伝えること。その人が自分自身の体験を探求する同伴者であり続けるということ。
これらを一言で表すなら、
「自分自身の気持ちに気づきながら、あなたのあなたらしさを認め、理解しようとする姿勢」です。
これが傾聴の基本になります。
まとめ:3つのポイントのおさらい
1.傾聴の基準を「自分の中」に持つ
ポイント:「うまく聴けたかどうか」を相手の反応で判断するのではなく、「相手を理解したい」という自分の軸を持ちます。
2.深呼吸で意識をリセットする
ポイント:相手の反応が気になるのは自然なことですが、その都度深呼吸して「私は相手を理解したい」と意識を戻すことで、落ち着いて傾聴できるようになります。
3.傾聴の本質を理解する(自己一致・受容・共感的理解)
ポイント:傾聴は「自分自身の気持ちに気づきながら、あなたのあなたらしさを認め、理解しようとする姿勢」です。
この基本に立ち返ることで、相手の反応に左右されずに聴けるようになります。
傾聴は自分自身との対話でもある
傾聴は、相手との対話であると同時に、自分自身との対話でもあります。
「私はもっと相手を理解したい」という気持ちは、それだけでとても価値があるものです。
焦らず、自分のペースで続けていきましょう。その一歩一歩が、あなたの聴き方を深めていくはずです。
この記事が、あなたの傾聴力を磨くヒントになれば嬉しいです。
ぜひ実践してみてくださいね。