さて今回のテーマは
「傾聴の質問」についてです。
傾聴というのは話を聴くことだから、
こちらから質問をしてはいけないのではないか?
と思っている方もいるかもしれません。
でもそんなことはないんですね。
ただ、うなずき、あいづち、
くり返しをしながら聴くだけではなく
質問もすることがあります。
ただし一般的な質問とはちょっと違います。
一般的な質問は、このような質問です。
「いつ」「どこで」「誰が」
「何を」「どのように」
主に事柄について訊ねる質問です。
では傾聴の質問は何かというと
簡単にひとことで言うと、
相手の気持ちを明らかにし
受けとめるために質問をします。
たとえば
「それをしたのは、どのような思いがあったからなの?」
「そのときどう思った?」
あるいは
「いま『たぶん』と言ったけど、たぶんというのは?」
このように、その人にとっての
意味や価値を訊いたりもします。
これはほんの一例ですが
そのことについてどう思ったのか?
どう感じたのか?それを知りたい!
という目的を持って、質問をするんですね。
だから
まったく質問しないということもないし、
自分の興味の向くまま
何でもかんでも質問すればいい、
というものでもありません。
それからこれも大事なポイントです。
質問は頭で考えない。
何を質問しようかな?
と考えているときって
相手の話は聴いていないんですね。
では頭で考えずに
どうやって質問するのかというと
相手の話を聴いた瞬間に
「おや?」「ん?」
と、あなたが感じられるかどうかなんです。
自分の心に何か引っかかるというか
何か感じるものがあるから
その質問が出てくるんですね。
まさに出てくる、というか
気になったところを質問するという感じです。
ということで今回のテーマに戻りますが
傾聴は質問をしてもいいか?いけないか?
というより
相手の気持ちを知るために
必要があれば質問をする。
そしてその気持ちをしっかりと
受け止めるということになります。