あなたは、「正しさ」って何だと思いますか?
私はひとつの「箱」のようなものだと思うんですよね。
誰もがそんな箱を持っているけれど、箱の形はみんな少しずつ違っている。
育ってきた環境や、これまで経験してきたこと、大切にしてきた価値観。
そういうものが重なって、その人なりの箱の形ができていく。
だから同じ出来事を見ても、人によって「正しい」と感じることは少しずつ違ってくるんですよね。
自分にとっては当たり前のことでも、誰かにとってはそうではないかもしれない。
そう考えると、人と人の間で起きるすれ違いの多くは、
「どちらが正しいか」というよりも、「箱の形が違っていた」ということなのかもしれません。
身近な人にほど、やってしまうこと
先日、家族(長男)の話を聞いているとき、こんな気持ちが出てきました。
「それは違うんじゃないかな」
「こうした方がいいと思うよ」
「その考え方は間違っているよ」
もちろん、それは悪気があるわけではなく、むしろ本人のことを思っているからなんですよね。
でも、もしかするとそれは
彼の箱の形を、自分と同じ形に直そうとしていたのかもしれません。
家族といえど、人はそれぞれ違う箱を持っています。
その箱の形は、その人の人生の中で少しずつ作られてきたものです。
だから、外から力を加えて簡単に変えられるものではないんですよね。
むしろ、無理に変えようとすると、ぶつかったり、こじれちゃったり…
傾聴は「中身」に関心を向けること
では、ちょっと傾聴の視点で考えてみましょうか。
傾聴は箱の形を見るのではなく、
その箱の中に「何が入っているのか?」に関心を向けていく聴き方です。
その人は、どんな体験をしてきたのか。
どんな思いを抱えているのか。
何を大切にしているのか。
そんなふうに中身に関心を向けていくと
「正しいかどうか」を判断するよりも先に、その人の世界が少しずつ見えてくるんですね。
心理学者のカール・ロジャーズは、人を支える関わりの中で大切なのは
「相手の体験世界を理解しようとする態度」だと言いました。
傾聴とは相手の箱の形を直すことではなく、その箱の中身に静かに関心を向け続けること。
そんな聴き方なのかもしれません。



