あなたの今日の心模様はどんな感じですか?
お天気みたいに、私たちの心の状態って、いつも同じじゃないですよね。
晴れの日もあれば、ちょっと曇り空の日もある。
今回お話ししたいのは、
「今日は聴くのがしんどいな」
「なんか聴けなかったな…」
と感じる、そんなときの心についてです。
あなたは、相手が話をしているときにどこか上の空だったり、「それってちょっと違うんじゃない?」と、内心ムッとしてしまったり…。
そんな経験はありませんか?
聴けないときほど、「わかってよ」が顔を出す
本当は冷静に受けとめたいのに、心のどこかで「でも、私にも言い分があるのに…」と思ってしまうことってありますよね。
たとえば、部下の意見を聞きながら、「いや、こっちの立場も考えてよ!」と思ったり、パートナーの愚痴に「私だって我慢してるんだから!」と感じたり。
相手が自分の気持ちをぶつけてくるときや、何か不満を言われたり、誤解されたまま話が進んでいくとき。
こちらにもちゃんと伝えたい思いや背景があるのに、それがまるで無視されているように感じると、心の中でだんだんと「こっちの話も聴いてよ!」という気持ちがふくらんでいきます。
この「私のこともわかってよ」という気持ちが強くなってくると、どうしても相手の話が入ってこなくなってしまうんですよね。
そのときの心の中は、まるで渋滞中の高速道路みたいにパンパンで、余裕がなくなっています。
「聴きたいのに聴けない」は、心のSOSかもしれない
聴きたいのに「ちゃんとけない自分」が出てくると、落ち込んだり、自己嫌悪になったりしがちですが、それは実は、自分の心がちょっと疲れているサインでもあるんです。
人の話を聴くって、思っている以上にエネルギーがいることです。
ましてや、自分の中にまだ整理できていない気持ちがあったり、誤解されていると思っていたりすると、相手の言葉よりも、自分の「言い分」を通したくなってしまう。
それはとても人間らしい反応です。
誰かの話をちゃんと聴くには、「私はわかってもらえている」という安心感が、少しでも心の中にあることが大事なんですよね。
無理に聴かなくていい。「あとで、でいい」
だから、そんなときは無理に聴こうとしなくて大丈夫です。
「今はちょっと無理かな」
「自分の気持ちのほうが先にあふれそう」
そう思ったら、一度深呼吸して、こんなふうに自分に言ってあげてほしいです。
「今は、私の心もわかってもらいたいときだね」
「だから、いま相手の話が入ってこなくてもしかたない」
「落ち着いたら、またちゃんと聴こう」
その一呼吸があるだけで、関係はちゃんとつながり続けます。
そして素直に、「ごめんなさい、ちょっと今バタバタしてるから、またゆっくり聴かせて」と伝えてみるのも、温かい選択です。
自分の言い分があるときほど、素直に聴けないのは当然
私たちは、ほんとうにわかってもらいたい気持ちがあるときほど、相手の言葉に素直になれなかったり、受け入れられなかったりします。
でも、それは“優しくない”からではなく、“それだけ本気で自分のことをわかってほしい”から。
心がギュッと縮こまっているときは、誰だって防衛的になります。
その反応を責めなくていいんです。
むしろ、「ちゃんと心が生きている証拠なんだな」って思ってみてください。
そして、ぜひ自分の心をいたわってあげてほしいのです。
好きな音楽を聴いたり、温かいお茶をゆっくり味わったり、静かな夜に空を眺めたり。
自分が「ほっ」とできる時間をプレゼントすると、心のコップに余裕が生まれてきます。
ときには、「いま、私はどんな気持ちかな?」と自分に問いかけてみるのもいいかもしれません。
「認められたい」「安心したい」そんな気持ちに気づけたら、そっと受け止めてあげてください。
心が少し満たされると、ふと「相手の言い分も聞いてみようかな」という気持ちが自然と湧いてきます。
今日、聴けなかったとしても
人の話を聴ける日もあれば、聴けない日もある。
余裕がある日もあれば、自分のことで精一杯な日もある。
それって、ごく当たり前のことです。
「聴けなかった」という事実よりも、「また聴けるようになりたいな」と思えることが、何より大事なんです。
自分の心の声も、相手の気持ちも、どちらも大切にできる日がきっとまた来ます。
だから、焦らなくて大丈夫。
今日、少し聴けなかったとしても、それはあなたが「人間らしく生きている」という証拠なのです。
どうか今日も、自分にやさしく。
あなたの心が少しでも軽く、温かくなりますように。