今回の傾聴のこつは、
「初心者脱出!ただのおうむ返しではないくり返し」というお話をしていきます。
さて、傾聴のスキルのひとつに「くり返し」というものがあります。
一般的には「おうむ返し」とも言われますが、なんでもくり返せばいい、というわけではありません。
話の何を聴いて、何をくり返すのか?
これをきちんと理解してやらないと、聴き方が浅くなってしまいます。
たとえば、ひとつ例文を言ってみますね。
「彼に誕生日プレゼントをあげようかなって思っているんだ」
と、友達に言われたら、あなたなら何て言いますか?
「何をあげるの?」とか
「もう決めたの?」とか
「誕生日っていつ?」とか、でしょうか?
それとも、くり返しという話をしているので、相手の言葉をひろって
「誕生日プレゼント…」とか
「あげるんだ」とかでしょうか?
こういう返し方は日常会話ではよくありますよね。
これはけっして間違いではありません。
けれども、傾聴のくり返しだったらこんな感じになります。
「彼に誕生日プレゼントをあげようかなって思っているんだ」
「そう、あげようかなって思ってるんだ」
もしくは
「そう、あげようかなって…」
普通の会話で返す言い方と、傾聴のくり返しの違い、おわかりでしょうか?
くり返すのは、その人の気持ちが表れている言葉なんですね。
この場合は「あげようかなって」かなって、ここに気持ちが表れているんです。
「あげるんだ」じゃなくて「あげようかな」っていうのは、
何か迷いがあるような、まだ決めかねているように私は聴こえるんですね。
なのでそこをくり返します。
傾聴は相手の気持ちをわかろとして聴くんですけど、
気持ちというのはストレートな表現のものだけではないんですね。
うれしい、楽しい、悲しい、くやしい
これも気持ちですが、はっきりと言葉にしてくれるとは限りません。
むしろ微妙な表現のことのほうが多いんです。
そこをしっかりと聴きとって、くり返しをしていく。
これができるようになると、表面的な聴き方ではなく、相手に寄り添った深い傾聴になります。
いきなりはできないと思いますが
練習次第で、誰でもできるようになりますよ。