気づきは与えない、うながさない

今日の傾聴のこつは「気づき」についてです。

話を聴くことで相手に気づいてもらいたい、気づきを与えたい、という目的で聴いている方もいらっしゃると思います。

気づきって大事ですよね。

気づいたことによって違う視点でものごとを見られるようになったり

思ってもいなかったアイディアが浮かんだり

あるいは、忘れていた何かを思い出す、ということもあるかもしれません。

それによって相手が自分から動き出すということもよくありますね。

で、それはそれで事実なんですけれど

気づいてもらいたいとか、気づきを与えるということは、傾聴の目的とはちょっとズレるんですね。

傾聴は何のために聴くのかというと、相手に寄り添い、支え、そのままを理解しようと聴くことなんです。
つまり、相手のそのままをわかろうとして聴きます。

ということは、気づかせようとするのではなく

気づけない、そんなあなたを理解していますよ
そのままのあなたに私は寄り添います

という、心の姿勢というか、あり方が大事なのです。

もし、気づくことはいいことだと思っていらっしゃる方は、ご自身がなにか気づきを得てよかった体験がある方だと思います。

そうすると、人にも同じことをして差し上げたいと当然思いますよね。

けれども気づくことはいいことだ、気づいてほしいと思いすぎると
気づく方に誘導したくなってしまったり、あるいは、なかなか気づかない相手にイライラするかもしれません。

傾聴は誘導したり、何かを促すことではありません。

そのままを受け止め、相手の気持ちをわかろうとすること

これを心に刻んて置いてほしいなと思います。

 

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