今日の傾聴のこつは
「相手の話を聴いていると、感情が入ってしまってつらくなってしまう」
という方に向けてお話をしていきます。
最後まで聴いていただくと
相手の感情に引っ張られることなく、安心して話が聴けるようになると思います。
傾聴は「共感で聴きましょう」とか
「寄り添うように聴きましょう」とか言いますよね。
これをやろうとしたときに、多くの方がやってしまいがちな聴き方があります。
それは自分のことのように感じながら聴く、という聴き方です。
(私がこの方の立場だったら、きっとそうなるよね)
(私だってそう思うなぁ)
と、自分に置き換えて相手の気持ちを想像するんですね。
こういった方は、親身になって話を聴いてあげられる優しい人ですね。
だけどその反面、それでしんどくなってしまうということもあるのではないでしょうか。
とくにネガティブな話を聴いているときですね。
どういうことかというと
自分に置き換えて自分ごとのように聴いていると、お話をしている相手の体験と自分の過去の体験が、リンクしてしまうことがあるんですね。
で、過去のそのときのいろんな感情が思い出されて、一緒につらくなってしまう、こういうことがよくあります。
たとえば昔、家庭のことですごく苦労した、悩んだことがあったとして。
目の前の人の話を聴きながら「私もそういうことあったよね。とてもつらかったよね」
と思い起こされて、一緒にしんどくなっちゃうとか。
相手の感情に巻き込まれてしまうんですね。
そしてさらには「私はこうやって乗り越えたわよ」とアドバイスを言いたくなるんです。
アドバイスが悪いのではなく、傾聴をしたいのであればアドバイスはなしですね。
では、どうやって聴いたらいいのかというと、自分と相手をしっかり分けましょう、ということです。
混ぜないということです。
似たような経験をしていても、自分と相手は違うんだ、と境界線をきちんと引きます。
線を引くというと、どこか冷たい印象を受ける方もいるかもしれませんが、壁ではないですからね。
拒絶するということではないんです。
むしろ、心の中に境界線を引くことによって相手の感情に引っ張られることなく、安心して話が聴けるようになります。
ポイントは2つ。
- 自分の体験に照らし合わせない
- 自分と相手をしっかり分ける
自分の経験と感情は自分のもの、相手の経験と感情は相手のもので、同じということはありません。
絶対に違うということを前提として聴きます。
だからこそ、わかりたいんですという耳で聴くんですね。