今回は「言いわけを聴けないワケ」についてお話ししていきます。
「言いわけをされるとイライラする」
「我慢して聴くのはつらいです」
とおっしゃる方は結構います。
理由を尋ねるとだいたい、
「言いわけはよくない」とか「言いわけすべきではないから」とおっしゃいます。
じつは私もそのうちの一人でした。
たとえば子どもが
「だって…」「でも…」と言い出すと
「だってじゃない!」
「言いわけしないの!」
と怒っていました。
傾聴は楽しい話にも使えますが
大体はネガティブな話のときによく使います。
そうすると
話の中に言いわけが入ることがあるんですね。
だけど、言いわけにイライラしていたら聴けないんですよね。
じつは人というのは面白いもので
自分に禁止していることは
他人にも同じように禁止する
という心の動き方があるのです。
つまり言いわけにイライラしてしまう人は、自分に対しても
「言い訳はよくないから、するべきではない」
と禁止しているんですね。
それがいいとか、悪いとかではなくて
私たちは社会の中で、
あるいは周りの大人から「言い訳をするな」と言われることが多かったと思うのです。
もしかしたら子どものころ、
言いわけをしたら親から怒られた
という経験があるかもしれませんね。
すると当然、言い訳はよくないものだと思ってしまいます。
けれども
言いわけも、ひとつのわけ なんですね。
その人にとって、そうせざるを得なかったわけ(理由)が必ずあります。
傾聴は言いわけもしっかりと聴いて支えます。
よい・悪いという価値判断はちょっと横に置いて聴けるといいですね。