今回は「受容」のお話しです。
傾聴は相手の話を受容し
共感で聴くと言いますが
・なかなかできない
・受容しようとすると苦しい
という方もおられるのではないでしょうか?
受容という字は漢字で
「受け容れる」と書きます。
なので自分を押し殺して
相手の主張や要求を
聞き入れなければならない
同意しなければならない、のように
相手の言うとおりに
しなければならないような
イメージを持たれているのかもしれません。
じつはここが
誤解されやすいところなんですね。
傾聴はアメリカの心理学者提が唱した
来談者中心療法がもととなる聴き方ですが
受容という言葉はもともと
「無条件の積極的関心」と翻訳されます。
(ほかにも表現はいくつかありますが
ここでは「無条件の積極的関心」とします。)
それが一般的に
「受容」という表現で広まったんですね。
つまり日本語の意味合いとは
ちょっと違います。
「受容は苦しい」と感じている方は
もしかしたら
日本語そのままの意味で
とらえているのかもしれません。
受容は一方的な受け身ではなく
無条件の積極的関心という
心の態度のことです。
相手のどんな側面も
「そういう気持ちがおありなんですね」
とただそのまま受け止め、
「そうですよね」
という同意や賛成はしません。
もちろん、否定もしません。
よい・悪いではなく、ただそのまま
「こういう気持ちがあるんですね」
と受け止めていきます。
それがどうできるようになるのか?
というのは、また別の話しですが
受容は自分を押し殺し
相手の言うがままになることではありません。
相手の気持ちを
ただそのまま受け止めていくこと
ということになります。