要約するよりも「伝え返し」が◎

さて、今回は「要約よりも伝え返し」というお話しです。

「要約」と「伝え返し」の違い

要約とは、相手が話した内容・事柄や事実関係も含めて

「つまり~~なんですね」

と要点を短くまとめて返すことを要約と言います。
復唱に近い感じでしょうか。

では伝え返しはというと
「理解の試み」(“testing understandings”) です。

「あなたがおっしゃりたいことは~~ということでしょうか」

と、相手が言わんとしている感覚的なものについて(意味やニュアンスも含めて)
「私はこのように理解していますが、それはあなたにしっくりくるでしょうか?」
と自分の理解を相手に確かめていくことなんですね。

要約と伝え返しは同じようなもの
と思っていた方もいるかもしれませんが、実はまったく違います。

要約は
「あなたは今こういう話をしましたね」
ということをまとめて返しますが

伝え返しは
「あなたが感じていることや本当に言いたい気持ちは、こういうことでしょうか?」
「私の受け止めは正しいでしょうか?」
という意味で相手に確かめています。

傾聴は伝え返し

ということでやっと本題ですが
一般会話であれば、要約でも伝え返しでもどちらでもOKです。

だけどもし、
「傾聴したい!」と思うのであれば
要約よりも伝え返しをおすすめします。

というのは
聴き手である自分が感じとった

“何か意味のあることば”
“言わんとしていること”

を相手に確かめる意味で伝え返すことによって
相手はそれを自分の内側に入れて、吟味し始めるんですね。

(私の言いたかったことは本当にそうだろうか…)
(その言葉で私はしっくりくるだろうか…)

そうやって
内側に意識を向けてもらうことで
話しが展開していったり、深い気づきに繋がるのです。

伝え返しは共感的理解のこと

では最後に、
傾聴のもととなった来談者中心療法を始めたカール・ロジャーズの言葉を紹介します。

共感的であるとは、自分の感じ取ったことの正しさについて
この他者とともにつねに検証すること、
他者から受け取った反応につねに導かれていくことを意味する。

出典『カール・ロジャーズ カウンセリングの原点』諸富祥彦著

つまり、伝え返して相手に確かめながら共に進んでいくのが大事なんだ。
それが共感的理解なんだ、と言っているんですね。

 

ご案内

傾聴1日講座® 基礎/実用

傾聴の基礎知識から具体的な技術までしっかりと、実践的に身につけたい方におすすめです。

※ 初心者の方にもわかりやすく、経験者は今までの学びをより深められる内容です
※ 基礎/実用ともに各1日

日程・詳細

LINEオープンチャット(無料)

✅ 傾聴コラム、ブログ更新、講座のお知らせなど、不定期でお届けいたします。

登録者プレゼント
『セルフチェックでわかる傾聴力診断』シート

いますぐ登録